家族葬札幌の来扶アシスト倶楽部だより紹介(1)

たとえば、こんな〝家族葬
「自己満足かもしれないけれど…」
 
札幌市白石区・Sさんの場合
 従来のお葬式の型に嵌まらない「家族葬」では、故人の思いとご遺族の
考えとが必ずしも一致するとは
限りません。
旅立つ人の意志を尊重し、同時に残された家族の気持ちも癒やされる、
そんなお葬式は、どうやってつくり上げたらよいのでしょうか―。
 札幌市白石区のSさん(60歳代・男性)は、闘病中からとても簡素な
形で見送られることを望んでいました。もともとお寺さんとのおつき合いが
なかったので、弔いは無宗教という形で、また残される息子さん(40歳代)や
娘さん(30歳代)にわずらわしい思いをさせたくないという配慮から、
ご家族のみでごく簡単な儀式を執り行ってくれればよい、というお考えだったのです。
荼毘に付し、どこかにお骨を納めてくれたらそれで充分、とでも言いたげでした。
一般的には「密葬」と受け止められるような形ですが、これはSさんと同じ世代の
皆さんにとても多い考え方です。
 Sさんは、いわゆる団塊の世代の人でした。
昔ながらの因襲にこだわることをよしとせず、伝統や宗教と
いったものへの
疑問を率直に口にするタイプで、それゆえにご自分の最期も効率最優先で
考えるようになったのでしょう。
お若いころは、同時代の元気な皆さんの例に漏れず、学生運動に汗を流す
青春時代を過ごしたそうです。政治・社会問題への関心が深く、問題意識の
赴くままに行動する姿は、病床にあってなお毅然とした佇まいから充
分に
想像できるものでした。「いろんな葬儀を見てきたが、おれには一切必要ない」と
言い切る口調には、
何の迷いも含まれていませんでした。
 一方、団塊ジュニアに属する息子さん・娘さんは、Sさんほどの割り切った
考え方になじんでいません。
親父はああ言うけれど、お寺さんも葬儀委員長もいない葬式なんて
やっていいんだろうか。
お骨にするだけ
でおしまいでは、生前お世話になった皆さんに失礼なんじゃないか―。
ご遺族は、最後の最後まで迷っていたのでしょう。スタッフが促すと、
先のような思いの丈を率直に話して
くださいました。
葬儀への姿勢に世代間の差も お葬式は、たしかに故人のためのものです。
しかし同時に、残された
ご家族や親しい人たちのためのものでもあります。
永遠の別れという哀しい現実を受け容れるためのセレモ
ニーは、やはり受け容れる側にとっても納得できる形にしなくてはなりません。
Sさんのご家族のような
ケースは近年とくに増えており、サポート役の私たちに
とっても重い課題を突きつけられる問題です。
 結果として、Sさんの葬儀は完全な無宗教葬とはなりませんでした。
「ほんとにこれでいいのか」との深刻な相談を受けたスタッフは、お寺さんを
手配することにしたのです。
Sさんには檀家寺と呼べるような深く繋がったお寺がありませんでしたので、
こちらでご実家の宗派を伺い、
協力していただけるお寺を探しました。当日の
段取りも、できるだけ故人・遺族の両方の思いを補完し合え
る形にするため、
白石区の「ファミリーホール白石」を利用、最低限不義理とならない顔ぶれの
親類やお友
だちなどをお招きし、15人ほどの規模で執り行いました。
 「おれたちの自己満足だったかもしれないけど、やってよかった。親父には、
向こうに行った時にちゃん
と説明してやらないとな」 そう言う息子さんの
穏やかな表情には、私たちも癒やされました。
 ほんとにこれでいいのか―。
 迷いを抱え込むことなく、率直にさらけ出すことで、気持ちの整理がつくこともある。
そんな思いを新た
にしたお葬式でした。

【会場費・飲食等含めた総予算=約60万円(別途お布施)】
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